「踊ろう、紗久」 スッ 流れるように私の傍にやって来て、まるで王子様のように私を悠がエスコートする。 ドクンッドクンッ 心臓がどんどんうるさくなっていくのがわかる。 毎年のことなのに今年は悠を異性として意識してしまっている私がいるせいで心臓がうるさい。 心臓、静まれ。 こんな距離だから悠に聞こえちゃう。 「大事なことをぽっかりと忘れていた。この間まで」 優雅にゆっくりと。 悠にエスコートされながら踊る中で。 悠が優しい笑みを浮かべて話し始める。