・
東和田市に着いて改札口を抜けるとまた潮の香りがした。そして詩月はやっぱり寂しそうな顔をする。
「私行きたい場所があるんだ」
それを打ち払うように詩月の腕を掴んだ。詩月がびっくりした顔をしてた。
自分から誰かに触るなんて信じられないけど、
詩月の記憶を探すと決めた以上は私も迷ってはいられない。
向かった先は東和田南中学校。あの思念の中で見えた校章のバッジ。見間違いじゃなければ確かに〝南中〟と書かれていた。
海沿いの国道を抜けて暫くすると白い校舎が見えてきた。夏休み中だから授業はしてないけどグラウンドでサッカー部が練習をしていて、もしかしたら詩月のことを知ってる人がいるかもしれない。
「なんか分かんないけどすげードキドキしてきた」
詩月がそう言って心臓を押さえる。
「え?なんか思い出したの?」
「いや全然」
紛らわしいなあ、と呆れながら声をかける人を見つけていた。2年前だから詩月の同級生は卒業してるけど、当時1年生だった人ならまだ在籍してるはず。
詩月がこの学校に通っていたなら、校内で見かけたことぐらいあるだろうし。
「あの……」
私は南中の門から出てくる生徒に声をかけた。
だけど詩月のことを尋ねても首を傾げるだけ。
めげずに次もまた次も声をかけたけれど見事に玉砕。
「ねえ、どういうこと?ちゃんと学校に通ってた?まさか不良たちと一緒になってサボってたんじゃないの?」
「いや、それを俺に聞かれても……」
そもそも見た目だけじゃ誰が3年生か分からないし、『この人知ってますか?』なんて聞き方じゃ怪しすぎるよね……。
東和田市に着いて改札口を抜けるとまた潮の香りがした。そして詩月はやっぱり寂しそうな顔をする。
「私行きたい場所があるんだ」
それを打ち払うように詩月の腕を掴んだ。詩月がびっくりした顔をしてた。
自分から誰かに触るなんて信じられないけど、
詩月の記憶を探すと決めた以上は私も迷ってはいられない。
向かった先は東和田南中学校。あの思念の中で見えた校章のバッジ。見間違いじゃなければ確かに〝南中〟と書かれていた。
海沿いの国道を抜けて暫くすると白い校舎が見えてきた。夏休み中だから授業はしてないけどグラウンドでサッカー部が練習をしていて、もしかしたら詩月のことを知ってる人がいるかもしれない。
「なんか分かんないけどすげードキドキしてきた」
詩月がそう言って心臓を押さえる。
「え?なんか思い出したの?」
「いや全然」
紛らわしいなあ、と呆れながら声をかける人を見つけていた。2年前だから詩月の同級生は卒業してるけど、当時1年生だった人ならまだ在籍してるはず。
詩月がこの学校に通っていたなら、校内で見かけたことぐらいあるだろうし。
「あの……」
私は南中の門から出てくる生徒に声をかけた。
だけど詩月のことを尋ねても首を傾げるだけ。
めげずに次もまた次も声をかけたけれど見事に玉砕。
「ねえ、どういうこと?ちゃんと学校に通ってた?まさか不良たちと一緒になってサボってたんじゃないの?」
「いや、それを俺に聞かれても……」
そもそも見た目だけじゃ誰が3年生か分からないし、『この人知ってますか?』なんて聞き方じゃ怪しすぎるよね……。



