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次の日の朝。設定したアラームも電車の遮断機も問題なくクリアして学校の正門が見えてきた頃、その前では先生たちが登校指導をやっていた。
7月になって制服を着崩したり、夏休み前で浮かれている生徒が多いからその指導も気温と同じように熱が入る。
呼び止められている生徒たちの横をスッと通りすぎると「羽柴おはよう!」と担任に見つかってしまった。
朝からなにを食べたらそんな声が出るだってほど大きな声量。再び「おはよう」とわざと強調した言い方をされて私は小さな声で「……おはようございます」と返した。
「元気がないなあ。まさか夏バテか?」
ガハハハと笑い方も豪快で、私の性格では付いていけないようなテンションの先生が担任になったことも私の運のなさだと思う。
私は避けるように足早にその場から去ろうとした瞬間、ガシッと何故か担任が私の右手を掴んだ。
「こら、マニキュアはダメだぞ!色が薄いからバレないと思ったんだろ?」
そんな声がうっすらと聞こえる中、私の指先は先生の腕時計に触れていた。そしてまたビリビリとあの感覚。
次の日の朝。設定したアラームも電車の遮断機も問題なくクリアして学校の正門が見えてきた頃、その前では先生たちが登校指導をやっていた。
7月になって制服を着崩したり、夏休み前で浮かれている生徒が多いからその指導も気温と同じように熱が入る。
呼び止められている生徒たちの横をスッと通りすぎると「羽柴おはよう!」と担任に見つかってしまった。
朝からなにを食べたらそんな声が出るだってほど大きな声量。再び「おはよう」とわざと強調した言い方をされて私は小さな声で「……おはようございます」と返した。
「元気がないなあ。まさか夏バテか?」
ガハハハと笑い方も豪快で、私の性格では付いていけないようなテンションの先生が担任になったことも私の運のなさだと思う。
私は避けるように足早にその場から去ろうとした瞬間、ガシッと何故か担任が私の右手を掴んだ。
「こら、マニキュアはダメだぞ!色が薄いからバレないと思ったんだろ?」
そんな声がうっすらと聞こえる中、私の指先は先生の腕時計に触れていた。そしてまたビリビリとあの感覚。



