ひとりぼっちの夜は、君と明日を探しにいく


ある日を境に私には不思議なものが見えるようになった。


それはモノや物体に触れるとその時の記憶や光景、思考に感情が私の頭の中に映し出されること。それを自分なりに調べたら〝残留思念〟という能力に近いことがわかった。

それは持ち主の物体に宿り、色欲、強欲、憤怒、嫉妬などの一番強い思いが反映されることが多い。

よくお化け屋敷や心霊スポットに行って恐怖で足が前に進まないことがあるけど、あれはその場に残留している恐怖心という思念が自分に影響するためだと言われている。

その目に見えない〝思念〟を私は右手で触れてしまうと、場所や時間関係なく読み取れてしまうのだ。


しかも物体だけならまだいい。

私の場合はその人に触っただけで感情が流れてくるから私はなるべく学校では利き手じゃない左手を使って、思念を読み取らないようにしている。

思念はどこにでもあるから、いつも気が抜けない。