君には僕しか見えない。



暫くして彼女が唇を開いた。


が、またすぐ閉じた。



何か言いたげだった彼女は一瞬目を伏せると
にっと笑った。


そして

「私、これから急いで行かないといけない
ところがあるから、傘は大丈夫。
距離はそこまで遠くないし、走って
行くよ。今日はありがとう。」

とだけ言った。