君には僕しか見えない。



「…雨か。天気予報が外れたね。
俺、近くのコンビニで傘買ってくるよ。」


一応財布を持ってきていた俺は、図書館の
ぎりぎり屋根のある入り口付近で黒い空を
見上げる彼女にそう言った。



彼女はまるで俺の言葉が聞こえないように
空ばかりを見ていた。


俺は彼女に返事をもらう必要もないと考え、
鞄を頭の上にかざして、走って行けばいいか
と思った。