「声が聞きたくて」


『なんだそんなことか』


蓮はそう言い笑った。


蓮の笑顔が浮かんでくる。


あたしも一緒になって笑顔になった。


『だったらいくらでも話をしてやるよ。里佳は今日夕飯何を食べた?』


「ハンバーグだったよ」


あたしは涙を指で拭ってそう答えた。


『うまそうだな。俺は焼き魚だった。食べ盛りの俺としては少なかったなぁ』


不満そうに呟く蓮の顔もすぐに浮かんでくる。


「魚もおいしそうだね」


『まぁな。明日の授業はさぁ――』


「あのね」


蓮が話を続けてくれようとしていたところを、あたしは遮っていた。


蓮ともっと沢山の話がしたい。