「これって本当の事なの?」


驚いた菜々花かそう聞いた。


「もちろんだよ! 本当はちょっと半信半疑だったんだけど、さっき立石先生に聞いて来たら、全部本当のことだって! あたし、これから先は学校に来なくてもここに書かれている大学や企業に行く事ができるの!」


朱音はそう言い、その場で何度も飛び跳ねて喜んだ。


頬を高揚し、満面の笑顔を浮かべている。


「うそ……」


菜々花が朱音に届いたメールを読み直してそう呟いた。


「ミッションをクリアすれば、こんな未来が待ってるなんて……」


菜々花の視線が教室の後ろで静かにしている拓巳へと向けられた。


拓巳も精神的参っている様子だが、仁のように不登校になるほどじゃない。


「菜々花も早く終わらしちゃいなよ?」


朱音の言葉に、菜々花がゴクリと唾を飲みこんだのを、あたしは不安になって見つめていたのだった。