校門にヤクザのような男たちが来て以来、仁は学校に姿を見せなくなった。


停学が退学になったとは聞かないから、自分から来なくなったのだろう。


「ねぇねぇ、里佳、菜々花ちょっと来て!」


休憩時間、朱音がそう言ってあたしと菜々花を手招きした。


「どうしたの?」


そう質問しながら近づいていくと、朱音が「ジャーン!」と効果音を上げながらスマホの画面を見せて来た。


そこには《イジメ.com》からのメールが表示されていた。


《竹井朱音様。


あなたは見事ミッションをクリアなさいました。


おめでとうございます!


約束通りあなたの将来は約束されました》


その文章の下には朱音が行くことのできる大学名や会社名がズラリと並んでいる。


どれも聞いたことのある有名大学と大企業ばかりで目を丸くした。