「冗談だろ……」


立石先生の説明に、蓮が思わずそう呟いた。


教室のあちこちからとまどいの声が上がっている。


「ちなみに、今日ここへ集まってくれた先輩たちは2年生の頃にミッションを完了した生徒たちだ」


立石先生の言葉に、8人の先輩たちは誇らしげな笑みを浮かべた。


どうやら先生の説明に嘘はないようだ。


「ミッションにクリアできなかったらどうなるんですか?」


教室の後方からそんな質問が聞こえて来た。


「あぁ。その場合は一週間別の施設で特別授業を受けてもらうことになっている」


「特別授業って、なんですか?」


「生徒の能力に合わせた授業をするから、行ってみないことにはわからないな」


立石先生はそう言うと、左右に首を振った。


心なしか、先輩たちの顔色が曇った気がした。


「心配は無用だ。ミッションをクリアさえすればいい。けれど、先ほど言った通りこのサイトに関することは絶対に口外してはならない。


もし他者に告げ口をした者がいれば、その生徒も施設へうつす事になる」


完全に自分たちだけでミッションをやり遂げなければならないということだ。


「先生。ミッションは1人につき1つあるんですか?」


朱音が恐る恐るそう質問をした。


「いや。ミッションを受けることができるのは一部の生徒のみだ。特別な人間。そう言っただろ?」