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翌日、学校へ向かうと校門の前に数人の男たちが立っているのが見えた。


先生かと思ったが、その顔は見たことがない人たちばかりだ。


誰だろう?


そう思いながら横を通り過ぎようとした時、「なぁ、おい」と、声をかけられて立ち止まってしまった。


いきなりそんな風に話かけてくるなんて真面な人ではないと、すぐに理解できた。


「はい……」


「2年A組の西宮仁って知ってるか?」


仁の名前が出た瞬間、ビクリと体を震わせた。


この人たちは誰?


もしかして、仁の仲間だろうか?


あたしは左右に首を振っていた。


仁を知っていると言えば、何をされるかわからない。


「本当に知らねぇんだろうなぁ?」


サングラスをかけた男が巻き舌で聞いてくる。


「し、知りません!!」


あたしはそう言い、男たちから逃げるように校舎へと向かったのだった。