肌をうつ音が路地に響き、あたしは息を飲んだ。


1年生の子が横倒しに倒れ込む。


止めなきゃ!


そう思うのに、菜々花があたしと蓮の動きを止めた。


「これを撮影しなきゃ、あたしは施設送りになる」


その言葉がズシンと胸にのしかかって来た。


こんなのおかしい。


止める事ができるんだから、止めなきゃいけない。


頭では分かっているのに、体が言う事きかなかった。


自然と拓巳と菜々花をくらべてしまう。


あたしはどちらを守るべきなのか、天秤にかけてしまう。


菜々花はあたしの友人だ。


ずっと一緒にいた友人だ。


楽しい思い出も、悲しい思い出も、悔しい思い出も、沢山持っている。