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蓮が連れて来てくれたのは、駅前の繁華街だった。


沢山のお土産物屋さんや、デパート、ボーリング場やゲームセンターが所狭しと建ち並んでいる。


「さて、じゃぁ最初はゲームセンターに行くか」


蓮はそう言い、あたしの手を握りしめた。


突然の事で振り払う事もできず、そのままついていくあたし。


蓮の手の温もりにドキドキしてしまう。


こんなドキドキは本当に久しぶりのことだった。


「モグラ叩きがいいか? それともパンチングマシーン?」


ゲームセンターに入るなりそう聞いてくる蓮に、あたしは「なんで?」と、聞き返した。


「だって、ストレス発散のためにはそういうゲームが一番だろ?」


ストレス発散という言葉にビックリしてしまう。


蓮から見たらあたしはストレスを抱えているように見えるんだろうか。


「ま、いっか。じゃぁモグラ叩き!」


せっかくだから思いっきり遊んでやろう。


そう思い、あたしはゲームセンターの中を歩き出したのだった。