「最近、お前あんまり笑わなくなったしさ」


その言葉にあたしはドキッとして蓮を見た。


確かに、友人たちが特別な人間に選ばれてから心から笑っていないかもしれない。


笑えるような状況でもない。


「ゴールデンウィークだって、ろくに遊んでないんだろ?」


「あぁ……うん、そうだね」


《イジメ.com》の事と課題だけで終わってしまった休みを思い出し、ため息を吐き出した。


「だからさ、気分転換だ」


「気分転換……」


「あぁ。思いっきり遊んで、また明日から悩めばいいだろ?」


そう言われて、あたしは思わず頷いていた。


蓮と一緒ならきっと楽しい。


「すぐ準備する」


あたしはそう言い、教科書を鞄に入れ始めたのだった。