由梨たちが少し気まずそうに視線を向けてくるが、何も言わなかった。


「今日はあたしと会う約束をしてたよね?」


「あぁ、そうだっけ? でもまぁ、俺遊んでるし」


そっけない返事に苛立ちを覚える。


だけど、ここはあたしが出る幕ではなく。


グッと感情を抑え込み、仁の背中を睨み付けた。


「いい加減にしてよ!」


朱音がそう言った時、仁が振り向いた。


とても冷たい目を朱音に向ける。


凍てついてしまいそうな仁の視線に、朱音は後ずさりをした。


「お前さ、俺のなんなワケ? ちょっと可愛くて物分りもいいから付き合ってたけど、最近マジうざいよ?」


仁の言葉が朱音を突き刺す。