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結局、何の解決策も見つけられないままゴールデンウィークに入ってしまった。


これから一週間ほど不良グループと接触することもない。


そう思うと気が抜けたようで、あたしは休みの初日をほとんど眠ってすごしたのだった。


朱音から連絡が入ったのは、それから3日後のことだった。


『もしもし里佳?』


電話を取った瞬間、朱音の慌てたような声が聞こえて来る。


ベッドに横になって漫画を読んでいたあたしは上半身を起こした。


「朱音、どうかした?」


『仁と連絡が取れないの』


「え?」


『ゴールデンウィークに入ってから、メールも返事が来ないし電話も出ないの』


「なんで?」


『わからない……』


朱音の声が沈み込む。


あたしは枕元にある目覚まし時計に視線を向けた。