「メールを送ったのはいまここに残っている生徒たちだけだ」


「それって、仁くんたちには関係ないってことですか？」


すかさず朱音が聞く。


立石先生は少し面倒くさそうに朱音を見て「まぁ、言ってしまえばそういうことだ」と、頷いた。


４人の生徒にだけ関係のない話って一体なんだろう。


あたしと朱音はチラリと視線を見交わせた。


朱音は眉をよせてしかめっ面をしている。


自分の彼氏を関係ない呼ばわりされて不快になっているのは明らかだった。


でも、それも先生の説明を聞けば納得できるはずだった。


「いいか。今から言う事は今日のクラス説明会に参加していない者には絶対に口外しないことだ」


「それって、親とかもダメなんですか？」


愛澤蓮（ｱｲｻﾞﾜ　ﾚﾝ）がそう聞いた。


「もちろんだ。親、兄弟、友人も含めて一切ダメだ」


「例外はないんですか？」


「そうだな。たとえば、今から説明することあらかじめ知っている人間になら、話をしても問題はない」


「それは誰ですか？」


「説明を聞けばあらかたわかるはずだ」


先生の言葉に蓮は納得し、黙った。