校長に話をしても無駄だということは、もう誰に相談しても似たような答えしかもらえないということだろう。


あたしは落胆した気持ちで教室へと戻った。


クラスの中はいつもと変わらないように見える。


だけどやっぱり、いつ以上に不良グループたちは浮いているような気がした。


「里佳……!」


校長室へ向かうと伝えておいた朱音と菜々花が駆け寄って来る。


あたしは泣いてしまいそうになるのをグッと我慢して、左右に首を振った。


それだけで2人は結果がどうだったか伝わるはずだった。


2人はあたしの態度を見て肩を落とし「そっか……」と、小さく言った。


「ごめん」


親友の2人がこんなに悩んでいるのに、あたしは無力だ。


なにもできない。


「里佳が謝る事なんてないよ」


朱音が言う。


「そうだよ。あたし達の為に校長に話をしてきてくれてありがとう」


菜々花が言う。