大嫌いだと言ってしまった自分を思い出し、後悔する。


「それならやてみるといい」


立石先生が両手を広げてそう言った。


蓮は驚いたように目を見開く。


「叔父さんを殺したところであの学校は変わらない。大きな勢力がお前たちなんて消してしまうだろう」


先生の言っていることはきっと嘘じゃない。


あの学校は変わらない。


一見普通の学校の皮を被っているが、その中にいるのは闇に住む人たちを楽しませるためのモルモットなのだ。


学校という名の檻に入れられたモルモットたちは、自分がモルモットだと言う事にも気が付かない。


つい最近までの自分がそうだったように。


「このまま2人を学校に返すわけにはいかない。逃げられるところまで、逃げたい」


蓮はそう言うと、ポケットの中からスマホを取り出して海に投げ捨てた。


蓮も同じことを考えていたようだ。