あたしは蓮と立石先生を交互に見つめた。


「お願いだ! 頼むよ叔父さん!」


「蓮、元々この高校に入学したいと言ったのはお前だろう? 草刈高校のモルモットたちを間近で見てみたいって」


モルモットって……もしかして、あたしたち生徒のこと?


「蓮……どういうこと?」


そう聞く声は震えていた。


蓮は最初から全部知っていた?


「ごめん里佳。俺、立石先生の親戚なんだ。学校のもっと偉い人とも知り合いで、《イジメ.com》の事も入学前から知ってたんだ」


「それだけじゃないぞ。こいつは《イジメ.com》で使われる施設の管理者の息子だ。だからこいつは入学前からすべてを知っていたんだ」


蓮の言葉と立石先生の言葉が頭の中でグルグルと回る。


蓮が立石先生の親戚?


蓮の親が施設の管理者?


世界が歪む。


すべてが崩壊していく音が聞こえて来るようだった。