あたしはすぐに由梨の部屋に戻った。


由梨はベッドに横になり、漫画を読んでいる。


「里佳、蓮と付き合ってるの?」


漫画から顔を上げた由梨が呑気な声でそう聞いてくる。


今朝の恐怖はすっかり忘れてしまっているようだ。


その様子に少しだけ安堵したが、すぐに気を引き締めた。


「由梨、気を付けてね」


あたしの言葉に由梨は首をかしげ、瞬きをしたのだった。