「そうか……今年も始まったのか……」


小さく呟き、グラスに入っている水を一気に飲み干す桐嶋先輩。


「知っているんですね?」


蓮が更に聞く。


「あぁ……。君たちはそれについて俺に聞きに来たってことか。ちょっと待っててよ、水をお代わりして来るから」


桐嶋先輩はそう言うと空のグラスを手に席を立った。


あたしは蓮を見て軽く頷いた。


やっぱり桐嶋先輩は《イジメ.com》を知っていたようだ。


相談相手を間違えなくてよかった。


もし知らない相手だったら、あたしたちは口外した事になってしまっていた。


今更ながら背中に汗が流れて行くのを感じる。