それからはもう学校に行くどころではなかった。


出て来てくれた近所の人に支えられるようにして由梨の家へと戻り、しっかりと鍵をかけた。


由梨の顔は真っ青で、それと同じくらい、あたしの顔も青くなっていたと思う。


「今の人たち、誰?」


リビングのソファに座って少し落ち着いたのか、由梨がそう聞いて来た。


あたしは無言のまま左右に首をふる。


蓮のイトコの関係者かも知れないなんて、絶対に言えなかった。


「本当に何も知らないの? 最近里佳はよくあたしを迎えにきてくれるよね? その事と何も関係ないの?」


由梨の声はひどく震えている。


「何も知らない。何も知らないよ」


あたしは必死にそう言った。


嘘だったけれど、今はそう言っておくしかない。


由梨は大きく息を吐き出してソファの上に足を上げ、ギュッと膝を抱きかかえた。