「ここに座れ」


真ん中に置かれている長テーブルと4脚のパイプ椅子。


あたしと蓮んは隣合って座った。


部屋の四方はすべて本棚になっていて、それは天井まで伸びていた。


ギッシリと詰め込まれた資料の1つを手に取り、先生が戻って来た。


「これを見ろ」


テーブルにドンッと置かれた資料。


開かれたページには、由梨の情報が所狭しと書かれていた。


「なんですかこれ。生徒の情報?」


蓮が顔をしかめてそう言った。


顔写真に住所に電話番号。


それだけじゃない、何時何分どこの病院で生まれたのかまで書かれている。


こんな情報がどうして必要なのか。


全生徒分の情報がここに保管されているのか。


そう思うと異様な雰囲気を感じた。


草刈高校は普通の高校じゃない。


大きな力がある。


そんな話を聞いたことを思い出した。