見た目や遊び仲間が変わってしまっても、由梨自身の中身が変わったわけじゃない。


「ねぇ由梨。髪色変えたら?」


「えぇ? なんで?」


由梨は明るい髪の毛に触れて首を傾げた。


自分で染めているようで、てっぺんの方は少し黒くなっている。


「黒髪の方が似合う」


「え? そうかなぁ?」


「そうだよ」


あたしは頷いた。


「授業ももっとまじめに受けなよ」


「あはは。里佳、またお母さんみたいなこと言ってる」


「本気で心配してんの」


「そうだよねぇ、わかってるよ。あたしバカで勉強とかよくわかんないけど、ノートくらいちゃんととってみる」


「それがいいよ」


あたしは頷いた。


由梨が生活態度をあらためることで何かが変わるかどうかは、わからない。


何も変わらないかもしれない。


だけどきっと由梨にとってマイナスなことにはならないはずだ。


「で、結局どこ行く?」


青空の下、あたしは由梨にそう聞いたのだった。