その夢を思い出すだけでも、幸せな気持ちになれた。


あたしは由梨のことが好きだと、胸を張って言う事ができる。


グラスを洗い、今度は洗面所へ向かった。


お風呂に入っていないから汗で体が気持ち悪い。


あたしは少し冷たいお湯を全身からかぶった。


体の中から、外から、どんどん嫌な物が排出されていくような気がする。


ミッションとか、施設とか、そんなもの関係なく、あたしがどうしたいのかが見えて来る。


「あたしは、由梨とずっと一緒にいたい」


その気持ちを口に出すと、より一層気持は強くなった。


そうだよ、あたしは由梨と一緒にいたいんだ。


ずっとずっと、友達でいたいんだ。


それならそうすればいい。


苦しみながら由梨をイジメる必要なんて、どこにもない!


今まで悩んでいた事が嘘のように、あたしの心は晴れ渡っていたのだった。