泣き疲れたあたしはいつの間にか眠ってしまっていたようで、気が付くと窓の外は暗くなっていた。


家の中からは物音も聞こえて来ない。


壁に投げつけたままのスマホで時間を確認すると、もう夜の12時を過ぎていた。


両親はとっくに眠ってしまっているようだ。


少し歩くと頭が痛んだ。


あれだけ泣いて、あれだけ頭を打ちつけたんだから当然だ。


フラフラとした足取りでキッチンへ向かうと、テーブルの上にラップにかけられた夕飯が置かれていた。


あたしは手を付けず、そのまま冷蔵庫に入れた。


グラスに水をそそいで勢いよく飲み干すと、やっと頭の中がスッキリしてくる。


眠っている間、あたしは夢を見ていた。


それは由梨と一緒に遊んでいる夢で、とても楽しくて笑い声の絶えない時間だった。


あたしと由梨はこの先もずっと一緒にいる。


そう信じて疑わなかったあの頃の夢。