だって、仕方ないじゃん。


やらなきゃあたしが施設に送られるんだから。


由梨をイジメろって指示されたんだから。


従うって決めたんだから。


「うぅ……」


うめき声をあげ、額を床に打ちつける。


何度も何度も打ちつける。


由梨の痛みはこんなもんじゃない。


仁の痛みもこんなもんじゃない。


拓巳の痛みも、菜々花の痛みも。


あたしはまだまだ全然足りない。


どうしてあたしは、こんなことをしているんだろう……。