「由梨は全然参っている様子がない。このままじゃミッションは失敗する」


失敗。


その言葉が心に重たくのしかかる。


「でも、まだ期間は長いし……」


「その間に由梨を不登校まで追い詰めるんだぞ? できるのか?」


そう聞かれると、自信はなかった。


そこまで人を追い詰めたことなんて、産れて今まで一度もない。


そこまでひどい自分になれるかどうかも、自信がなかった。


「今日、これからの事をもっとよく相談しよう」


「うん……わかった」


あたしはもう十分汚れてしまった。


だけど、これじゃ足りないんだ。


まだまだ汚れて、心が真っ黒になる必要がある。


あたしは自分の胸にそっと手を当てて由梨との楽しい思いでを追い出したのだった。