蓮があんな卑劣なことをするなんて思わなかった。


ショックで胸が苦しくなる。


『俺はどんな手を使ってでもお前のミッションを成功させる』


ハッキリとそう言い切った蓮にあたしは「え……?」と、聞き返していた。


『里佳を施設になんか行かせない。絶対に』


その言葉に今度は体中が熱くなる感じがした。


蓮はあたしのためにそこまで考えてくれているんだ。


合成写真なんて、本当は作りたくなかったかもしれないのに……。


「蓮……ありがとう」


スマホを持つ手に自然と力が入っていた。


蓮の気持ちが痛いくらいに伝わって来る。


「あたしも、頑張るから」


あたしは蓮と由梨を天秤にかけ、そして蓮をとったのだ……。