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外はカラッと晴れていた。


もうすぐ梅雨入りだなんて信じられないくらい、いい天気。


雲もなく、日本晴れだ。


天気が良ければいいほど、あたしの気持ちは落ち込んでいく。


もう一度桐嶋先輩に相談してみようかという考えが浮かんでくる。


1人でとぼとぼと歩いて教室へ入った時、みんなの視線が一カ所へ注がれていることに気が付いた。


あたしは自然とそちらへ顔を向ける形になった。


そこにいたのは、菜々花だったのだ。


頬がコケ、髪の毛はボサボサで目の焦点があっていない。


一瞬、それが菜々花だと気が付かないくらい変わっている。


呆然としていたあたしはハッと我に返り、菜々花に駆け寄った。


「菜々花!」