あたしは1日由梨の事を気にかけていた。


由梨はとてもおとなしくなっているが、一緒にいる玲央は何も気にしていない様子だ。


「拓巳があの程度で自殺するとか、信じらんねぇわぁ。案外弱かったんだなあいつ」


そんな事を言ってケラケラと笑っている。


仁に関しても同じように見下したような発言を繰り返している。


それに対して由梨は適当に相槌をうっているだけで、本気で会話をしようとはしていない。


彼等の友情は元々表面上だけのものだったのかもしれない。


「玲央ってホント空気読めないよね」


2人を見ていた朱音がそう声をかけて来た。


あたしはチラリとその顔を見ただけで何も返事はしなかった。


今やクラスの王女様のようにふるまっている朱音。


誰かをイジメることが癖になったのか、今はミッションに関係なくクラスの弱い子をいじって遊んでいる。


「あいつこそイジメるべきだと思わない?」


「何言ってるの? そんな事言わないでよ」


朱音の言葉にあたしは顔をしかめてそう言い返した。