風薫る

女子って、って括りがないから、えっと、つまり、私の感想でいいんだよね。


「もちろん、褒められたら嬉しいよ」


褒めてくれるってことは、何かしらいいところを見つけてもらえたということ。


褒められたら、頑張ってよかったって思うし、もっと頑張りたいって思うし、見ていてくれたんだなって、舞い上がる。

自信がなかったところを褒めてもらえたら、自信が出る。


「でも一番嬉しいのは、楽しかったって言ってもらえることかな。楽しかったの、私だけじゃなかったんだなって思うよ」


楽しかった。
また今度ね。

名残惜しいけど。
また来たいね。

次は、どこ行こうか。


言い方は何でもいいけれど、一緒にいて嫌じゃなかったんだなって分かるのは、とても凄くて、とても嬉しいことだ。


「なるほど」

「うん。私なら、それが一番嬉しいかな」


笑う私に、黒瀬君が小さく手招きをする。


「木戸さん木戸さん」

「うん?」


耳を近づけると、照れくさそうに幸せな感想を教えてくれた。


「俺、木戸さんといると、いつも楽しいよ」

「私も楽しいよ!」

「そっか。……ありがとう。ほんとだね、これ、嬉しいね」

「うん。こちらこそありがとう。私も、嬉しい」


黒瀬君といると、いっつも楽しくて、温かくて、ふわふわする。


だからこの頃、もうずっと、好きで大切なものの中に、黒瀬君の名前がある。