「ね、木戸さん。一つ、確認してもいいかな」
「うん。なあに?」
黒瀬君が真剣な顔つきをした。
私も真面目な顔をして、向き合う。
殊勝に肯定する傍ら、実際、頭の中は黒瀬君の切れ長の瞳の綺麗さに思考が傾いていた。
至近距離で視界に飛び込んできたそれはとても眩くて、あっという間に目を奪われる。
黒瀬君は、名前の通り瞳まで真っ黒で、美しい目をしている。
強くて真っ直ぐで、思慮に富んだ、気遣いが視線ににじむ目。
一つ段差を越える黒瀬君に倣って、固い声が降るのを聞きながら、私も前進。
黒瀬君は私の足が着地するのを待って、口を開いた。
「木戸さんは、俺が隣にいたら嫌?」
「っ」
瞠目して、勢いよく顔を上げて黒瀬君を見つめる。
相変わらず美しい目がそこにあって、でも真剣な色をしていたから、鞄の紐を無意識下で握り締めて、大きく首を振った。
話せもしなかった。
絡んだ視線を外せずに長い長い数秒が経過して、初めに動いたのは黒瀬君。長い脚が階段を下りる。
遅れて、私も一つ、段を下りる。
「俺が隣にいたら困る?」
首を振って、もう一つ。
「じゃあ、さ。俺から隣に行ってもいい?」
流れでもう一つ下りた私の足が、しびれたみたいに止まった。
「うん。なあに?」
黒瀬君が真剣な顔つきをした。
私も真面目な顔をして、向き合う。
殊勝に肯定する傍ら、実際、頭の中は黒瀬君の切れ長の瞳の綺麗さに思考が傾いていた。
至近距離で視界に飛び込んできたそれはとても眩くて、あっという間に目を奪われる。
黒瀬君は、名前の通り瞳まで真っ黒で、美しい目をしている。
強くて真っ直ぐで、思慮に富んだ、気遣いが視線ににじむ目。
一つ段差を越える黒瀬君に倣って、固い声が降るのを聞きながら、私も前進。
黒瀬君は私の足が着地するのを待って、口を開いた。
「木戸さんは、俺が隣にいたら嫌?」
「っ」
瞠目して、勢いよく顔を上げて黒瀬君を見つめる。
相変わらず美しい目がそこにあって、でも真剣な色をしていたから、鞄の紐を無意識下で握り締めて、大きく首を振った。
話せもしなかった。
絡んだ視線を外せずに長い長い数秒が経過して、初めに動いたのは黒瀬君。長い脚が階段を下りる。
遅れて、私も一つ、段を下りる。
「俺が隣にいたら困る?」
首を振って、もう一つ。
「じゃあ、さ。俺から隣に行ってもいい?」
流れでもう一つ下りた私の足が、しびれたみたいに止まった。


