「選択肢がないって言うのは」
続けてはみたものの、黒瀬君はもしかしてこんな面倒臭い話は聞きたくなかっただろうか。
途中ではやめられなくて、そのまま続けてみる。
「黒瀬君がいいなあってことで、その……黒瀬君以外は全然考えていなかったと言いますか」
「う、ん」
「私の中で黒瀬君しか候補に入っていないと言いますか」
ええと、ええと。
なんて言えばいいのかな。
これじゃあ同じことを繰り返しているだけだよ。
「ごめん、えっと、なんて言ったらいいのか……」
「木、戸さん」
まだ言葉を探す私を黒瀬君が掠れた声でとめた。
何やら前を向いている。
その耳は、周りの暗がりに溶けて分かりにくいけれど、もしかして赤いだろうか。
「あの。分かった、から。ありがとう。……嬉しい、です」
ゆっくり一拍置いて、はにかむ笑顔が珍しい。
照れる黒瀬君に、私まで照れてしまう。
「そっか。それなら、あの、よかったです」
「……うん」
お互いに赤いのは指摘しないことにして、隣をゆっくり歩いた。
続けてはみたものの、黒瀬君はもしかしてこんな面倒臭い話は聞きたくなかっただろうか。
途中ではやめられなくて、そのまま続けてみる。
「黒瀬君がいいなあってことで、その……黒瀬君以外は全然考えていなかったと言いますか」
「う、ん」
「私の中で黒瀬君しか候補に入っていないと言いますか」
ええと、ええと。
なんて言えばいいのかな。
これじゃあ同じことを繰り返しているだけだよ。
「ごめん、えっと、なんて言ったらいいのか……」
「木、戸さん」
まだ言葉を探す私を黒瀬君が掠れた声でとめた。
何やら前を向いている。
その耳は、周りの暗がりに溶けて分かりにくいけれど、もしかして赤いだろうか。
「あの。分かった、から。ありがとう。……嬉しい、です」
ゆっくり一拍置いて、はにかむ笑顔が珍しい。
照れる黒瀬君に、私まで照れてしまう。
「そっか。それなら、あの、よかったです」
「……うん」
お互いに赤いのは指摘しないことにして、隣をゆっくり歩いた。


