『大神君。勉強、ココ分からない』


「質問にこたえたら、ヒント出してやる」


『お、大神君??』


なんだよ、と笑みを浮かべる大神君に顔が熱くなっていく。


『……し、た』


「なんだ??」


『嫉妬した』


超ストレート、言い訳もすることなく。それには、大神君も驚いたようで豆鉄砲を食らったような顔をした。


『だって、仲いい女の子は私だけだと思ってたし。大神君の笑った顔を見るのも、勉強見てくれるのも私だけって、勝手に浮かれてました』


恥ずかしい事をベラベラと話し続ける。


えぇ、嫉妬の理由と言うよりは、ほぼ告白に近い。


とりあえず、ネジがとびました。


『大神君の笑ったとき見える八重歯とかめちゃくちゃ可愛いし。怖い見た目だから、怖い人だって皆言うけど、本当は優しい人だし』


「ちょ、まて」


『みんな、なんで気づかないんですかね。大神君、とっても優しくて良い人なのに』


言い終わって顔を上げる。そして驚いたように目を丸めた。


「言いたい事はそれだけか」


『はい』


「はぁ……本当、お前って恥ずかしいヤツ」


大神君は顔を真っ赤にし、そっぽを向いていた。手で顔を隠しているが、赤い肌を隠しきれていなかった。