先生が病室を出てから10分が経った頃、扉が開いて舜、璃玖、拓海、柊が入ってきた。
「葵おはよう!
目覚めたて舜に聞いてすぐ飛んで来たで!!」
ニコニコと嬉しそうにそう話す拓海。
「お前朝からうるさい…」
舜の迷惑そうな声も聞こえる…
「体調はどうだ?」
璃玖は優しく声をかけてくれる
頭がボーッとする
話したくても喉から言葉が出てこない。
ゆっくりと皆の方を向くけど…焦点が合わない
皆の姿がぼやけて見える
「あおい…?」
私の様子に気づいた舜が近づいてくる
"お前は必ず高田を傷つける"
先生の言葉が頭の中でループする
「いや…こ…ない…で…」
私は舜や皆を傷つけたくない…
それだけは、どうしても嫌なの…
「…どうした?」
舜が小走りになる
だめ…私に近づかないで…
きっと私は舜を傷つけちゃう
それだけは絶対ダメなの
来ないで…お願いだから…傷つけたくないよ
グッと手に力が入る
「やめてっ!!」
そう言った瞬間、私の体に電流のようなもの走った。
そして
「…っ」
目の前にいる舜がゆっくりと崩れ落ちた。