目の前で放心状態になる一ノ瀬。




俺が伝えた事は間違ってない。あれが真実だ




ただあいつ達がセアロマの事を知っていたのは驚いた。



まぁ御影柊ならやりかねないか。




あいつは俺たちの組織の中でも要注意人物として取り上げられているしむしろ想定内だ。




今のところは全て計画通りってわけか…




自然と笑みがこぼれる




"いい返事を待ってる"
そう言って俺は病室を出た。




さて…2週間後に向けて俺も準備始めるか。




一ノ瀬は2週間後必ず俺のもとに来る。




そして俺は任務完了だ。




やっとアメリカに戻れる




「はははっ」




笑いが止まらない




「何がそんなにおかしい?」




背後に気配を感じ、俺はゆっくりと後ろを振り向いた




そこにはうちの制服を着た男が一人立っていた




誰だこいつ?




「なんの事かな?俺は生徒の見舞いに来ただけだぞ?それより君、どうしてこんなところにいるんだ?今は授業中だろ?すぐに学校に戻りなさい」




あくまで知らないフリをして教師っぽくそう言った




「とぼけんな。

お前DARKSのメンバーだろ?」




その男は睨みを利かしながらそう言う。




なんだこいつ?DARKSを知ってるのか?




「ごめん。俺には君の言っていることがさっぱり分からないな。
俺忙しいから失礼するよ。」




そう言って背を向けもう一度歩き出した時




「龍王」




低い声でそう言われ、足を止める。




「お前らDARKSは龍王を復活させたいんだろ?そのためには圧倒的な力、青のガーネットが必要だ。
一ノ瀬葵の前では
"なぜかわからないけど封印が解かれた"
なーんて言っていたが俺の親父が一ノ瀬葵にかけた封印を破ったのはお前だろ?
一ノ瀬葵は渡さない。
俺がもう一度封印してみせる。」




あぁ、なるほど。こいつ封印屋の2代目か。




「それにお前は封印をかけた父さんを…殺したんだろ」





おーなんだ。全部知ってんじゃねぇか。

ならもう猫を被る必要も俺のことを隠すこともねえか。




「俺と一ノ瀬の会話盗み聞きしてたのか〜?君って可愛い顔してるのに悪趣味なんだね〜


それで?一ノ瀬葵のガーネットをもう一度封印するって言ったっけ?



笑かすなよ。
お前ごときに何ができる?


起灯させたのは俺だ。お前は俺の力に遠く及ばない。せいぜい足掻けよ」





俺はそう言ってその場を後にした。




まさか封印屋が近くにいたとはな。




1代目は相当な力を持っていたが、2代目のあいつはまだ半人前だ。




そんな奴が封印なんてできるわけない。




結局勝つのは俺って事だ




2週間後が楽しみだ。