「一ノ瀬がガーネットを灯しているかもしれないと考えられたその日に俺は日本に派遣されて調べる事になった。

ガーネットってのは封印されてもその力が大きすぎるからか、身の危険を感じると勝手にその人間を守る作用がある。

だから俺たちが開発したセアロマという粉末で試したんだ。

セアロマは普通の人間にはなんの変哲も無い粉だが、知っての通り能力者を全て無力化する作用がある。

それを被ってしまうとどれだけ力がある陰陽師だって力を奪われてしまう。

そんなもを陰陽師が開発するなんて馬鹿げた話だかもうそれしか手段はなかったんだ。

セアロマの開発はリスクが大きい。

だからアメリカの国家機密になったんだ。

そしてあの日、新入生との交流会の日だ。
俺は一ノ瀬が本当に青のガーネットを灯しているのか確かめるために人工透析されたロボットを使ってセアロマを体育館中にばらまいた。

セアロマの粉はお前たち全員被った。
高田や土田たちは能力を失っただろ?でもお前はどうだ?平気に術を使えただろ?それが青のガーネットを灯している決定的な証拠だった。

封印された青のガーネットはどうしてかわからないが徐々に封印を破り力を取り戻し始めた。

そして昨日、その力が覚醒を始めたせいでお前はあんな力を出してしまったんだ。

このままだと後3週間もしないうちに完全に力が覚醒してしまう。

気持ち1つで人さえも簡単に殺してしまう力を手に入れてしまうんだ。

そうなってしまうともう後戻りはできなくなる。大切な仲間がいるんだろ?高田たちを傷つけたくはないだろ?

でもこのまま力が覚醒してしまえばお前は必ず高田を傷つけることになる。

だから俺はお前を迎えに来たんだ。

俺たちの組織ならお前を守ってやれる。


修行をすればガーネットの力を制御できるようになる。

そうすればまた、高田達と並んで戦えるようになる。


そのためには5年、アメリカに住んでもらわなくてはならない。

だが大切な仲間を失うことを思うと5年なんてかわいいものだろ?

2週間後の朝6時、中庭で待ってる。
返事をくれ」











先生が全てを話し終わるころにはもう何が何だか分からない状態だった。