「舜、少し話したいことがあるんだ」




後ろに立っていた柊にそう言われる。




「わかった。」




「病室だと葵が起きてしまうかもしれない。
休憩室で話そう。
璃玖様と拓海も一緒に来てください」




柊の言葉に璃玖と拓海が頷く。




病室を出て休憩室の椅子にそれぞれ腰をかける。




会話が周りに漏れないように一応結界を張っておいた




「葵に何が起こっている?」




俺は率直にそう聞いた。




俺たちじゃ知れる情報に限界がある。




最後の望みは柊しかいない




「いや…悪い。それはまだわからない。

だが、妖たちと戦う舜たちを体育館の陰からずっと見ている人が1人、そして教室の窓からジッと見ている奴が1人いた。」




柊の言葉に伏せ目がちだった拓海がバッと顔を上げる




「誰やそいつら!葵のことになんか関係してるかもしれへん!なあ!誰やったんや!」




ガタッと椅子を立ち、柊の腕を掴む




「落ち着け拓海!」




璃玖がそう言うが




「なんで落ち着いてられるんや!
葵のあの力お前らも見たやろ?上級の妖たちをあんなに一瞬で殺せる力を持っとる。あれは普通の陰陽師の力なんかじゃない。このままやったら手遅れになる気がするんや…」




ぐっと拳を握りしめた拓海の手からは血が出るほどで。




その目からは涙が溢れていた。