病院についてから軽い検査はしてもらったが熱があるものの、身体には異常がないと言われた。




葵の両親には電話したが海外に出張中で帰ってくるのが早くても明日の夕方になるらしい




"葵をよろしく頼みます"と葵のお母さんが涙を流しながらそう言った。




葵、みんなお前のこと心配してるんだぞ。




自分のいつもの力じゃない力が出て妖達を傷つけてしまった葵が一番辛かったよな。




葵は人一倍妖達を大切にするんだ。




"妖だって人間だって変わらない
殺していい命なんて1つもない"




以前そんなことを言っていた。




だからこそ今回のことは葵にとって陰陽師としての自信を全て奪ってしまうには十分すぎた。




目を覚ましてからも今の葵が妖相手に術を使えるとは到底思えない。




スヤスヤと眠る葵の手を握る。




小さくて細い手…熱があるせいか少し熱い気がする