ぐっすりと眠る葵の目は赤く腫れていて頬には涙の跡が残っている




まつげが涙で濡れていて眠りながらも涙が流れている




流れる涙を指で拭き取る




「あおい…」




葵の名前を呼ぶ璃玖の声はとても弱々しく、その瞳は動揺していていつもの冷静さはどこにもない。




「一番辛いのは葵なんだよな…」




そう言う柊はぐっと唇を噛みしめる。




拓海は涙を溜めながらぐっと拳を握りしめて黙っている




葵が見たことない力を出して倒れたあと残りの妖たちに"眠訝"の術をかけて眠らせてから陰陽師本部へ送った。




そのあとすぐに救急車を呼び、高田系列の病院へ葵を運んだ




倒れた葵は何度呼びかけても意識がなかった




救急隊員の人たちも意識がない葵の姿を見て相当慌てていた。