「分かりました、すこし診察させていただきますね」




「ああ頼む葵はベッドにいる。
高田家の健康診断に協力してほしいって言ってくれ。記憶がないことは伏せてくれ。
俺はコーヒー入れてからまた戻る」




「かしこまりました」




そう言って岡田は葵の診察をするためにベッドに向かい、俺はキッチンへと向かう




コーヒーを淹れながら俺はある人へと電話した




--プルプルプルプル




「もしもし」




2コール目で出たその人は葵の兄である蓮さんだ




「あ、蓮さんですか。舜です。
やぶ遅くにすみません。
ちょっとお願いがあるんですけど…」




「おー舜くんから電話くるなんて珍しいな。
お願いってなにかな?」




電話の向こうで聞こえる声からでさえ、優しい人柄が見えてくる