「一部完全に記憶が抜けてるな」




柊は葵に聞こえないようにボソッとそう言った




「今日は俺の家に連れて帰る。
そこで医者に診てもらう」




俺がそう言うと皆頷いた




そう言う訳で葵の記憶が抜けている謎は解明しないまま今日は解散となった




「葵、帰ろう」




俺がそう言うとまだ拗ねているのか顔をそらしたままこっちを見ようとしない




本当に困ったお姫様だこと




俺は葵のそばに行って優しくギュッと抱きしめた




「ぬっ…許さないんだからっ」




ぬっ…て(笑)




照れているのか怒っているのか分からないけどきっと照れているんだろう




「ほら、今日はお泊りだろ?
早く帰って一緒に寝よう」




俺は優しく頭を撫でた




「うん…」




ほんと単純なやつ




でもそんな葵が可愛くて仕方がないんだ




俺は葵の手を取って学校を後にした