2分もしないうちに全員すごい勢いで教室に集まってきた



あまりの勢いに葵の顔が引きつっていた




「葵!なにがあったんや!!」




拓海は葵の目の前に行くなり涙をためてそう言った




「なに…って…私、何かしちゃった??」




本当に、なにも覚えていない様子の葵




「なぜ葵はこの教室で倒れてたんだ?」




璃玖がそう聞くと葵は大きな声を出した




「私倒れていたの?!」




おいおいそこからかよ…




「お前…記憶がないのか?
なぜ自分がこの教室にいるのか分からないのか?」




柊が葵を見てそう言った




「え…だって放課後に皆で集まって校長先生のところ行って手紙とセアロマがあって…学校探そうってなったんでしょ?」




なんだ覚えてんじゃねーか




少しホッとした




「そのあとは?」




続けて柊が聞いた




「そのあとは…ん?…そのあと?」




どうやら葵の記憶はそこで途切れているらしい




頭を強く打ったとかじゃねえよな??




「思い出せないのか?」




璃玖がそう言うとうーんと悩み始める葵




「そのあと…が…今なんだけど??」




葵な言葉に俺たちは冷や汗を流した




「どこかで頭打ったのか?」




璃玖が真剣にそう聞いているのにバカにされたと思ったのか




「いくら私がマヌケだからってそんなにバカにしなくていいじゃない!
なによみんなして!」




そう言ってプイッと顔を背けて完全に拗ねてしまった