「そう…なんだ」


バカみたいに楽しんでいたのが恥ずかしい。


私は、下手くそな笑顔を向けながらパフェをスプーンですくって口の中にいれた。


フルーツの酸っぱさと生クリームの甘さがマッチして、おいしい。


パフェのおいしさのおかげで気がまぎれる。



「んー!美味しいっ!」


松下くんが手を繋いできたとか。


ネックレスをくれたこととか。


可愛いって言ってもらったこととか。



気づけば自分の中ですごく嬉しいことになっていて。


みんなの王子様である松下くんが私には特別だなんて変な勘違いをしていた。



松下くんはかっこよくてモテる。


そりゃ、、元カノだって好きな人だっていただろうし。



さっきの希和さんだって…。


って…なにを思っちゃってんだろう。


松下くんがかっこいいってなによ。

失礼で自分勝手で、やな奴じゃない。


それなのに。



松下くんが他の人と歩いてるのを想像すると。


あの人の作った手料理もあんな美味しそうな顔をして食べるのかなと思うと。



すごく胸が痛い。