そして、二人で何の会話もなくご飯を食べる。
なにか話した方がいいのかなぁ。
でも、食べてる時に話しかけられるの不愉快っていう人もいるし……。
「ねぇ、」
「はい!」
「なんで敬語…………。哀川さんにとって弓景先輩はどんな感じの人なの?」
「えっと、頼りになる、憧れの先輩……だよ。」
「そう。弓景先輩、戻るといいね。」
「えっ。」
「………何。」
ひ、緋山君も心配してくれてるんだ。
「そう言ってくれると思わなくて…。」
「僕が言ったら不満?」
恥ずかしいのか、軽くそっぽを向く緋山君。
その動作が可愛く思えてしまった。
「ううん!ありがとう!」

それから眞白先輩や天文学部のことについて話した。
いつもは緋山君から話しかけてこんなに長い間話すなんてことなかったのに。
「なんでこんなに話してくれるの?」
「別に………。ただの気まぐれ。」
「そっか。明日は休みだからもっと話そうね!」
「気が向いたらね。」
「うん!」

「………………元気でた?」
小声で緋山君が呟いた。

「えっ?」
「昨日より元気がなかったから。もしかして自覚なかったの?」
「えっ………。そ、そうかな?」
「まぁいいや。風呂入ってくる。」
「う、うん。」
元気なかった、か………。
きっと、緋山君なりに元気づけようとしてくれたのかな。
緋山君はやっぱり優しいなぁ。

「明日はもっと話せますように。」


ルームシェア6日目、終了。