「緊張してんの?」


「う、うん……」



肩に触れる椿の体温とか、耳元で聞こえる椿の声に変に緊張してる私がいる。



「わっ……!?」



すると椿は私の身体を自分の方へとくるっと向かせると、



「俯くのはダメ」



そう言って私の顎を指でつまんで、上を向かせる。



「俺を見て?」


「っ、」



灰色がかった椿の綺麗な瞳と目が合う。



「この目線から下がんないようにな」


「は、はい……」


「はいって、やけに素直だね」



クスッと笑った椿に、教えてもらっている私が今は反論なんか出来るわけもなく。



……って、あれ?


鼻と鼻がぶつかりそうなくらい近づいてくる椿。