「この一週間。親父に会うためにロスに行ってきた。今まで明里の名前さえ出そうともしなかった親父がお前のこと聞いてくるから、それが気になって聞き返したらあっさり答えてくれたぞ」



ラスボスめっ……口が軽すぎる!!



「親父の策に嵌められてんなよ」



私は逃げるように顔をぷいっと逸らしたけれど、



「逸らすな」



……と、椿の手によって無理やり戻される。


ラスボス同様、誤魔化しはきかないらしい。



「明里がなんで青薔薇にいんのかって不思議だったけど、親父と話してる姿を見たって黒崎が告げ口してくれた」



そばに立っている黒崎さんを見るとペコっとこちらへ頭を下げた。



お店の前で取引きを持ちかけられた時のことを?


星ノ宮家の、ましてや椿の側近である黒崎さんに見られていたなら椿に知られても仕方ない……。



「……これしか、私にはお店を救える可能性のある手段が……なかったの」


「だったらすぐ俺のこと頼ってくれてもいいだろ」


「椿を?」