「も、もういいよ……っ。恥ずかしいからあんまり見ないで。今度はもっと頑張るから!」
「てか、どっちでもいいんじゃないの?」
「全然よくないよ。ローランド先生には、見た目がこれだから……味見もしてもらえなかったもん……」
すると椿は、私の手からカフェラテを奪ってそっと口つけた。
「冷めてるけど初めてにしては悪くない。それに、明里が頑張って作ったことに意味があるだろ?」
こんな風に椿からフォローされるとは思わなかった。
「あ、ありがとう……っ。椿に言われたら、ちょっと元気になるよ!」
ましてや青薔薇のプリンス様から言われたわけで。
沈んだ気持ちが嘘みたいに晴れて、自然と笑みが浮かんだ。
椿はそんな私をまじまじと見つめて、
───パシッ
「………!?」
「そういうの反則って言うんじゃない?」
もう片方の手で私の手を掴むと、そっと自分の顔へと寄せた。



